日本の静かな原子力政策転換

福島事故から10年以上にわたり、日本の原子力産業は一種の宙ぶらりんな状態に置かれていた。原子炉は停止され、政治家たちは原子力への依存度を下げることについて慎重に語り、多くの人々は日本が徐々に原子力発電から離れていくものと考えていた。

しかし、その間も世間の注目は原発再稼働や安全性を巡る議論に集まっていた一方で、日本の長期的なエネルギー戦略は静かに変化していた。その最も明確な証拠が、2040年までの電力供給の方向性を示した第7次エネルギー基本計画である。

この計画では、2040年時点で原子力発電を電源構成の約20%とすることを目標としている。これは近年の実績の2倍以上にあたる。また、既存原発の運転期間延長や、廃炉となる原子炉を次世代炉で置き換える方針も盛り込まれた。福島事故直後の政治的な空気感を考えれば、この変化は非常に大きい。2012年頃の議論は、いかにして原子力への依存を減らしていくかが中心だった。現在の政府計画は、原子力が今後数十年にわたって日本の電力システムの一部であり続けることを前提としている。

この変化は、多くの原子炉が停止した後に日本が直面した現実を反映している。

再生可能エネルギーは急速に拡大した。太陽光発電設備は全国に広がり、日本は世界有数の太陽光発電市場となった。しかし同時に、電力需要が消えたわけではない。製造業は安定した電力を必要とし続けた。都市部では夏の猛暑時に膨大な電力が消費された。デジタルインフラは拡大し、データセンターも増え続けた。

その不足分を埋めるため、日本は化石燃料、とりわけ液化天然ガス(LNG)への依存を強めた。2020年代初頭までに、日本は世界最大級のLNG輸入国となっていた。供給網の混乱や地政学的な紛争といった世界的なエネルギーショックは、燃料価格や電気料金の上昇という形で国内に直接影響を及ぼした。二酸化炭素排出量の削減も思うようには進まなかった。

こうした課題は、むしろ以前より大きくなっている。人工知能(AI)の普及は世界的に電力需要を押し上げている。各国は半導体製造や先端産業の誘致を競い合っている。エネルギー安全保障は、もはや専門家だけの議論ではなく国家戦略そのものとなった。日本のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略は、経済競争力を維持しながら脱炭素化を進めることを目指しているが、その実現には大量の安定した低炭素電源が必要となる。

もっとも、日本が掲げる原子力目標を達成できるかどうかは依然として不透明である。

福島事故後の大きな制度改革の一つが、政治や電力業界から独立した立場で判断を行う原子力規制委員会の設立だった。再稼働審査には何年もかかることが珍しくない。電力会社は時間とコストの負担を指摘する一方で、規制当局は国民の信頼回復には徹底した審査が不可欠だと考えている。

この緊張関係こそが、現在の日本のエネルギー政策の中心にある。政府は目標を掲げることはできるが、規制当局に審査を急がせることはできない。電力会社は安全対策に巨額の投資を行うことができるが、地域社会は依然として十分な説明と安全性の証明を求めている。再稼働には、技術的な審査、規制当局の承認、そして地域の理解が欠かせない。

世論もまた、慎重ながら変化している。エネルギー価格の上昇やエネルギー安全保障への関心、気候変動への懸念が高まる中で、既存原発の再稼働を支持する声は増えてきた。一方で、新たな原発建設となると意見はより分かれる。福島事故の記憶は、原子力のメリットとリスクを評価する際の重要な要素であり続けている。

そのため、今日の日本のエネルギー戦略は、2011年直後に多くの人が想像していたものとは大きく異なる姿になっている。現在の議論の中心は、原子力が将来のエネルギーミックスに必要かどうかではない。その問いに対しては、すでに政策立案者たちなりの答えが示されている。今問われているのは、どれだけの原子力発電容量を現実的に取り戻せるのか、どの程度のスピードで進められるのか、そして経済成長、脱炭素化、エネルギー安全保障という目標に間に合うのかという点である。

第7次エネルギー基本計画は、日本が向かおうとしている方向を明確に示している。その目的地にたどり着くまでの道のりは、決して平坦ではなさそうだ。

Taiga Cogger

Got Nuclear
A Project of the Anthropocene Institute